学長プロフィール

学習塾からモンテッソーリスクールへ
1974 年から 36年間、学習塾の世界で「受験」と向き合ってきました。2007年からは学習塾の公益社団法人の会長として、塾教育を通して日本の学力を支える努力をしてきました。2013年に転機が訪れ、モンテッソーリ教育と出会うことになり、「学力だけでは人間教育にならないのでは？」という、それまで蓄積していた心の中の疑問が解消されました。「教え過ぎる」事により「教えられ」ないと、考えることも、楽しむこともできない若者を世に出していては「人としての力」を育てられないばかりか、削いでしまっていると考えるようになりました。
ヨーロッパで修行して
2015年にイタリアで資格をとり、現場経験を積むために、帰国せずにロンドンで実習をしました。ブリュッセル（ベルギー）・ゲルンハウゼン（ドイツ）・ ジローナ（スペイン）・ルツェルン（スイス）・ミラノ（イタリア）等の学校見学を経て、ブライトン（イギリス）・リヨン（フランス）・パイナカー（オランダ）・マドリード（スペイン）で「モンテ ッソーリ教師」として働きました。ただ教室で「先生」をしただけで無く、付随する交渉や契約等を通じて、日本人が海外で働くという経験を積んだことは、私がこれから子供たちに伝えることができる大きな強味だと思います。
どうして日本に小学校が無いの？
世界中のいたる所に、幼稚園から小中学校が一緒のモンテッソーリスクールがある（全米だけでも7000 校）のに、なぜ日本には幼稚園だけしか無いの？ という疑問が帰国した私の最初の印象でした。「親は子供を教育する義務があり、子供は教育を受ける権利がある」という憲法に則り、親は子供に良い教育を受けさせる義務も権利もあります。わが子にいちばん相応しい教育を受けさせることは、皆と同じ教育を等しく受けることではなく、子供が自分の人生を自分で生きていく力が得られる教育を選ぶことだと思います。自分の人生を自分の選んだ方法で生きていけるために準備することは、親として大切な見極めであると考えます。
大人への準備期間という中学部
マリア モンテッソーリは医師ですから、年齢ごとに体の発達を４つの段階に分けて説いています。
内蔵の発達と体躯の成長がアンバランスな中学生は『休養』が必要であるとし、動物や植物を育て、読書などを通じてプロジェクトを進める上で、世の中の仕組みを学び、『大人への準備』をする期間であると位置づけています。１年生、２年生は月曜日から金曜日の週４日制とし、週末は自宅で読書等をして休んでいただきます。
また、高校受験は試験による選抜をする学校では無く、小中課程を『モンテッソーリ教育』で育ったアドバンテージを評価していただく学校（海外も含む）に進むことを想定しています。
本当に頑張る時期は、中高ではなく大人になってから始まるのです。そのときに活かせる精神力と、ものを産み出すエネルギーを蓄えておくことが、この時期の大切な心掛けだと考えています。